ウンゲツィーファ公演『旅の支度』切り離せないものたちと、それでも旅を始める
2025年8月31日(日)15:00~

脚本・演出:本橋龍
出演:黒澤多生 / 豊島晴香
■あらすじ
母が再婚し、式をハワイでやるらしい。
弟は出発前夜まで連勤が続いたが、ようやく仕事を終え、旅行のはじまりに浮足立つ。
母と関係が悪い姉を空港に連れていく為に部屋を訪ねる。
そこには到底運びきれない量の旅行荷物が積まれていた。
姉は弟の指示のもと荷物を減らす作業を始める。
しかし一向に荷物はまとまらず、夜は更けていく。
姉は旅が嫌いだった。
舞台評
坂口恭平
ウンゲツィーファの演劇では、いつも自分が生きてて何気なすぎて記憶に残していないほうの部分を目の当たりにすることになる。
そんな空間を、同じ現実の中で、僕が生きているのに経験できるのは、とんでもないことなんじゃないか。
丘田ミイ子(文筆家)
上演時間は1時間ちょっとで決して長くはない。会話も難解な言葉を用いないし、一見日常的な会話劇である。ウンゲツィーファの演劇のすごいところはまさにそこである。
パッと見普遍的でさりげない時間の中で人の心が小さく泡立ち、擦れ合い、戸惑いを覚えるくらいの波になり、やがて予想もしないうねりを見せていく。
人の感情の発端と経過に目を凝らし、耳をすまさなければ生まれようのない景色がそこには広がっているのだ。
かくして『旅の支度』はコンパクトながら決してライトな作品ではない。心に残すものが大きく、余韻を噛み締めるのにもそれなりの時間を要する大作である。
本橋龍から秋田の皆さんへ
『旅の支度』は、2024年4月に「ウンゲ演劇集 ふたりぼっちの星」という部屋を舞台にした2人芝居のショーケース企画にて誕生した作品です。第30回劇作家協会新人戯曲賞の最終候補作にも選出いただきました。ウンゲツィーファの中でも人気が高い作品です。
この度、『旅の支度』を単独の公演企画として再構成することになりました。しかも、旅公演として秋田と東京を回ります。
旅の支度はとても小さな演劇です。2人の俳優とコンパクトな美術で紡がれる、世界の端っこのアパートの一室での一晩のお話しです。
小さいからこそ、様々な人の心に収まる普遍性を持っていると思います。
今後も継続して上演を重ねていきたい、大切な作品のひとつです。
今回の旅を通してどのように作品が育っていくのか楽しみでなりません。
【チケット】
一般前売り 3,000円 会員券 2,500円 高校生以下無料(要予約)
二本通し券 5,000円 全公演通し券 10,000円
【取り扱い】
魁News Café TEL.018-874-8171 、ココラボラトリー TEL.018-866-1559
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